鉄道大臣のひとりごと

老人ホームで過ごしながら徒然に考えたこと

老人ホームの有料化(続2)

「有料」老人ホームが、必然的に「混住」になることは、先のブログで述べました。 老人ホームに永住する人たちにとっては、特に身体障害者にとっては、外出は、文字通り、たまの楽しみです。 そこで、私が住んでいる施設においても、「外出イベント」を催して、入居者を慰めようとします。 外出イベントの内容は、いろいろな工夫を凝らして、別料金を取ります。

 

施設所有の車を使っての、たまの外出(遠出)ですが、入居者全員とは行きませんから、イベントへの参加は、別料金を払って参加を「希望」する入居者に限って募ります。 その場合、健常者、異常者の区別はありません。 健常者、異常者の参加に区別はないのは、参加料金についても当てはまるので、参加する健常者たちは、この点については、施設側のやり方が「あざとい」と非難しています。

 

つまり、車椅子に乗った参加者、介護人が必要な参加者も、参加しますから、当然、介護ヘルパーたちも数人同行します。 イベントは、楽しみの一部として外食(一般のレストランを利用)を伴います。 この食事は、参加者と付き添いのヘルパーが同席しますが、横目でみると、付き添いの介護ヘルパーと参加者が同じものを食べてます。 これが、付き添いを必要としない健常参加者にとっては、介護ヘルパーたちが、健常参加者の「上前をはねている」かのように感じられるのです。 さすが、この非難に気付いた施設側では、その後、介護ヘルパーに、少し値段が安そうに見える料理を介護ヘルパーたちには、宛がう(あてがう)様になってきています。

 

他にも、施設側のやり方が「あざとい」と感じられるものが多々あります。 その第一は、買い物です。 入居者は、原則として外出できませんから、欲しいものがあるときには、「買い物代行」を依頼することになります。 私が住む施設の場合は、代行料一回¥600です。 しかし、買い物代行を頼むと、本当に欲しい物が、容易に買って来てもらえません。 例えば、チョコレートを注文すると「明治ブランド」の物が欲しいのに、「森永ブランド」の物を買ってくると言った具合です。 そこで、自分の目で見て買い物をしたいと思うと、買い物同行という介護ヘルパー付きのサービスがあります。 一時間¥600で、交通費自分持ちですが、施設所有の車を使わせて貰うと、車利用料は、一回¥1,500です。 これでは、おちおち買い物もしていられません。

 

こうした不都合は、「介護付き有料老人ホーム」には、他にも多々あります。 

その一つの理由は、「介護という名の拘束」を金を払って贖って(あがなって)いる、ことにあります。 私の仲間たちは、施設のことを古い昔の映画の題名を使って「格子無き牢獄」と、自嘲しています。

 

微々たる不都合を言えば、その一つに「入浴」があります。 風呂場は、ある意味で危険な場所です。 足元の定かでない老人には、転倒の恐れがある場所です。 ボケ老人の場合、粗相(そそう)する恐れもあります。 血圧の高い老人は、卒倒、意識喪失の恐れすらもあります。 自分では処理できない老人の身体を洗ってやる必要もあります。 暴れるボケ老人もいます。 浴室内へ入っての見守り(監視、ときに文字通り拘束)が必要なのです。 老人の身体を洗ってやる場合、老婆は羞恥心が残っているでしょうから、「男性」ヘルパーを嫌がります。 しかし、人員不足の今日ですから、容易に、女性ヘルパーの数を増やすことは出ません。 同じことが、老爺の場合にも言えます。.

 

色々な理由から、自分の家には住めず、金を払ってでも、「拘束(介護)」を買わなければならない老人もいます。 例えば、女房に先立たれ、家族(子供たち)では面倒見きれない場合。 交通事故治療回復後で、病院はもちろん、周囲ですらも面倒見きれない、身体障害が残ったままの老人の場合、などがそうでしょう。 私の場合は、前者の場合でしたが、幸い知能とある程度の体力とには恵まれていました。 しかし、介護と言う名の拘束(不自由)は、尾引いています。 物品の購入には、インターネットを利用しますが、外出は原則として、施設が定めている午後9時の消灯時間まで、と制約されていますから、夜遅くまで居酒屋を飲み歩く事はできません。

  

「有料(金)!」。 これが元凶です。  もちろん、その背後には、経営者のシヤィロック精神が潜んでいます。