鉄道大臣のひとりごと

老人ホームで過ごしながら徒然に考えたこと

いちびる

 

関西には、「いちびる」と言う言葉「表現」がおます。 「調子に乗る」と裏腹やねぇ。 関西には、相手が調子に乗らはるのを狙って、此方も(わざと)いちびって見せる、とう言う高等(あざとい)戦術もおます。 この辺になると、よそ(他所)さんの分からんとこやねぇ。 ほんで、こうして調子に載せられた相手が、あいつアホやと言われとんにゃ。

 

えぇか? これはなぁ。 ほんまの極意やで。 ワテがこんなこと、バラシたと、他の関西の人にバレたら、関西の皆さんに顔向けできまへんがな。 吉本(興業)はんとこの萬歳屋さんでも、こんなこと言わはらへんのや。 えぇか? これは内緒やでぇ。 ほんまのほんまの内緒にしてや。

 

関西人、そして関西語は、奥が深い。 私も、関西から関東へ来て、60年近くなるが、関西人の「言うたはることで、未だに判らへんこと、なんぼでもおますのや」。 関西の文化は、文学、芸能(舞踊)は言うに及ばず、何を取り上げても極めて広く、かつ奥が深い。 さすが、長年の伝統である。

 

寺社仏閣の建築様式に始まり、日常の他人のおちょくり方、(自分の)おちょくられ方、表裏一体となった仕草、言動、などは、到底、伝統の浅いヨソモンの測り得ざるところである。 では、どのようにして、他の文化を計り知るか?

 

丁度、東京出身の長田幹彦が、京都の定番小唄、祇園小唄を作詞したように、今後の日本の諸文芸、諸科学、諸技術、etc.の発展に於いて、関の東西を融合させることが、相手(異なる)の文化(の内容)を知る手掛りなります。

 

そら当たり前やがな。 もうそうなっとる。

 

ところで、日本国には、幕末に至るまで、数多くの大名が存在したし、数多くの領国が存在した。 必ずしも、領国と方言が一致するとは限らないが、関西弁以外にも、数多くの地方(方言)があり、それぞれの文化がある。 従って、融合が望ましいのは、関東、関西に限るわけではない。 しかも、日本のように小さな島国で、これほど多様な方言、文化を持つ国はないから、地方文化の融合は、多彩な日本独特の総合文化を生み出す筈である。