鉄道大臣のひとりごと

老人ホームで過ごしながら徒然に考えたこと

老人の食の陣 (気晴らし)

老人は、一般に食が細いとする伝説がある。 伝説という訳は、実態が必ずしもそうではないからである。 「細い」ではなくて、「遅い」なら納得出来るところもある。 老人は、一般に、若者に比べて「ゆっくり」と食べる。 おそらく、そのせいで「細い」と思われるのであろう。

 

健啖な老人も多いし、美食家も多い。 食事に「贅を尽くす」老人も居る。 食うや食わずは、懐加減のせいで、腹のせいではない。 場所が少し、上(飢え)なだけなのである。

 

従って、老人の食事を制限する輩は、老人の敵でもある。 この敵を打ち壊すには、周到の準備が必要になる。 まず、敵は完璧(?)と思われる防衛陣を張っている。 あの大阪城に例えれば、外堀、内堀の二重堀で、備えている。 徳川家康の狡猾(巧妙)さを持ってしても、容易に突破できるものではない。

 

その第一の構えは、介護師(ナース)の構えである。 曰く、看護師が行う看護とは、「看護学および医学などの近接した学問領域の専門的知識や技術も活用しながら対象者の状態を把握・事前評価し、問題点や介入のポイントを診断し、対象者の個別性に合わせた介入方法を看護計画として立案し、実際のその計画を実施し、その実施内容を評価しながら計画を改善を行うといった一連の看護過程を展開させながら、その時の対象者にとって最も健康的で質の高い生活を送れるように援助すること」(ウイキペヂア)を指す。

 

なんで、これが老人の食に介入するのか?  これでは、厨房の参謀ではないか! おまけに、「対象者(老人)にとって最も健康的で質の高い生活を送れるように援助すること」などと、余計な勿体まで付けている。 我らが武器は、「余計なお節介だ。 放っとけ。」と喝破することのみである。 「人間(ジンカンと読む)僅か100年」。 食い物ぐらいの自由は、あって然るべきである。

 

外堀を突破しても、内なる堀(構え)がある。 これは、医者という近代兵器で武装した強敵である。 やれ、血圧が高い、血糖値が高い、(医療費も高いぞ)、などと、高い尽くしで攻めてくる。 彼等はレントゲン、MRI,CT、等々、数え切れないほどの新兵器で、食事制限を迫る。 老人の食は、ますます危うい。