鞍馬天狗

夢寐のたわごと

心付け

注1:

「心付け」に似た言葉チップ  茶代  手当て  祝儀  手当

三省堂大辞林

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上記、定義の③は、歌舞伎的であっても、一般的ではないし。②も大抵の人の趣味じゃないから、願い下げだ。 我々は、もっぱら、定義①の意味での「心づけ」を渡している。 日頃、概して、サービスに対する心付けをケチり易い(習慣の無い)日本人は、日常的に何事にもチップを渡しているアメリカ人やヨーロッパ人には、一歩譲るべきだろう。 

 

日本には、チップの習慣はない? いや、ある。 「心付け」がそうである。

昔から、名前は違うが、少額の金銭やその他の安いもの(僅かの値打の物)を渡して、感謝の気持ちを示したりして、相手を労う(ねぎらう)習慣はあった。 心付けは、「祝儀」、「茶代」、「寸志」、「お手当」、「花」、「おひねり(お捻り)、紙捻り(主として、花柳界)」等の名で使われた。 今日では、そうした細やかな心使いは失われている。

 

だが、さり気なく隠くれて、¥100万円を「袖の下」から進呈する(主として政治界では、権力者への公然(?)と、いや、ときに忖度(そんたく)して、渡したり、捧げたりする厚かましい「名もない習慣(?)」として残っている。 

 

寡聞にして確言するには至らないが、「おひねり」は、「灰汁が強い」と同義に使われる表現でもあるらしい。 政治家達の「おひねり」の使い方を考えると、さもありなんと、頷けなくもない。 識者のご教導を賜りたい。 

 

オリンピックの年が近づいている。 日本は、「おもてなし」の心使いで、世界に日本の優雅で、高尚な武家(?)文化を知らしめようとしているらしいが、オリンピックの「おもてなし日本」も、面無し(おもて➡なし)になりそうである。 というのも、先のオリンピックでは ♬オリンピックの顔と顔♬ と歌ったが、今回のオリンピックでは、その大切な面目がつぶれそうだからである。

 

賄賂のことは、別として、「心付け」の先進国は、欧米である。 江戸時代より、「おひねり」として、日本にも、心付け、ご祝儀、寸志の伝統は生まれつつあったが、駕籠を利用する金持ちたちや藝妓はともかく、貧乏人の多い日本(?)では、「心付け」はそれほどには育たなかった。 そこへ諸外国から、チップに慣れたチップ先進国の外人たちが大勢やってくる。 日本人ボランテによる対してサービスに、おそらく感謝の気持ちを込めて、チップを渡そうとする外人((とくに、欧米人)も少なくない筈である。

 

日本人の「潔さ(イサギ)良さ」、「奥ゆかしさ」、良き躾一般、を示さんがために、これを拒絶したりして、その相手の感謝の気持ちに、取り合おうわないボランテイァもいるに違いないが、相手が「呉れようとする」チップを断るのは、「チップの少なさに対する)不満の現れと受け取られかねない。 そうでなくとも、失礼である。 

 

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注2:奥床しいは「慎み深く上品で心がひかれる」「こまやかな心配りが見えて慕わしい」という意味を表すようになり、現代では、特に女性の控えめで上品な態度の形容として用いられるようになった。 「奥床」は音からの当て字、「床」の字に意味はない。

 語源由来辞典

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祝儀を貰いなれない日本人は、突然の祝儀に面食らうだろうし、当然の咄嗟の反応として、「貰う」のを潔よしとはせず、「断る」だろうが、このことについては予め予想するように、ボランテイアたちを教育し、躾けておく方が良い。