鞍馬天狗

夢寐のたわごと

気の所為(せい)(ある老人ホームの話)

【気】:〈気持〉〈心持〉のような,人間の心理状態の受動的で主観的な側面をいう。 感情には,〈明るい気分〉〈けだるい気分〉〈気分が良い・悪い〉と言われる場合の気分のように,身体の生理的状態の意識への反映と思われる微弱だが持続的なものから,漠然とした快・不快感,激しい欲情や嫌悪感,〈躍り上がって喜ぶ〉とか〈涙を流して悲しむ〉といった身体的表出をともなう激しい情動,ある種の欲望に似た強く持続的な情熱,さらに宗教的感情のようなある種の価値への畏敬の感情にいたるまで実に多様な心的状態が含まれる。 いずれも我々にとって極めて身近なものでありながら,この感情の学問的解明は遅れており,相互に対立し合うさまざまな説明が与えられている。

世界大百科事典

 

Bさんの部屋の前を通りかかった。 そうだ、Bさんは病気だった。先日も聞いたぞ。 Bさんが、寝ていて漏らした、と。 いやそれどころじゃない。

大きいのも、所構わず、垂れ流す(?:流れるはずがない。たれたままに違いない)と聞いた。 じゃあ、臭いだろうな。 

 

先日も、Bさんの部屋のドアーが、開け放しになっていた。 今日もそうなっている。 「臭いぞ、臭いぞ」。食事前じゃないか。 それでなくとも、この施設の食事は不味いのに、これじゃ、一層まずくなる。 走り抜けよう。 いやぁ、臭い空気が、追っかけてくる。

 

待て、待て、Bさんばかりじゃない。 C さんも、そうだ。 一事が万事だ。 この施設に住む連中の中で、臭くない人は、数えるほどしか居ない。 開放的なことは大事だけれど、ドアーはいかん。 ドアーは閉鎖的で良い。 廊下、施設全体、に紛々たる臭いが、立ち込めているぞ。 全く、ショッピング・センターで呉れるような袋に、何物かを入れて、廊下を歩いているヘルパーを見たぞ。 何を入れて歩いているんだ? うん、「うん(糞)」だ。

 

臭い、紛々たる、我が(?)施設! これが、終の棲処とは情けない!