鞍馬天狗

夢寐のたわごと

ファースト・ネーム(名)

私の育った時代には、他の人に呼びかけるには、よほど親しい人(仲間、友人、)でなければ、フアースト・ネーム(名)で呼び合うことは、まず、無かった。 本当に小さい頃なら、お互い同士でファースト・ネームの一部に「チャン」を付けて呼び会った。 それ以外の相手を、ファースト・ネームで呼びかけるのは、「馴れ馴れしい、失礼だ」、と考えた。 特に、男性同士の場合は、そうだった。 

 

女性同士なら、ファースト・ネームで呼びあうことも許されたが、男同士で、フアースト・ネームで呼び合うのは、「女々しく、男性的でない」と躾けられた。 そう言えば、歌の文句でも ♬ おーい、中村くん ♬ だった。  ♬ おーい、賢治くん ♬ でも、賢治さんでもなかった。 男の矜持(きょうじ)を、さりげなく襟を正した姿勢で示すのが、お互いに姓(ラースト・ネーム)で呼び合うことだった。

 

男尊女卑? その通り、男尊女卑に残り滓だ。 それが、姓で呼び合う、男の躾だった。