鉄道大臣のひとりごと

老人ホームで過ごしながら徒然に考えたこと

タワケの館(やかた)

下記は、あるニュース・キャスターの書いた「報道(?)」のまえがき記事を写し取ったものです。 私は、ある系列の介護付き有料老人ホーム・チエーンの中の幾つかの施設の間を転々としながら、十数年住んでいる90歳近い老人です。 下記に記事についてコメントします。

 

この記事の作家=キャスター(?)は、老人ホームに住んだことのない人だと思います。 おそらく、どこかの施設に依頼されて、この記事を書いた「若い」記者なのでしょう。 記事の内容が、一般的で(まえがきだから?)、具体性がないばかりか、文章にも、若さ故の言葉の使用間違いが見られます。

 

以下、「親を老人ホームに入れることは悪ですか?」介護職員の本音より抜粋

近頃、高齢化に伴ってなのか「介護」に関連するニュースが目立つようになってきました。 しかし、その多くがネガティブな話題のように感じています。 まず、インターネットで「介護」という単語を検索してみると、候補にあがる言葉は「疲れ」だったり、「老人ホーム」で調べてみても「事故」だったりします。 上位掲載のニュースも「虐待」や「殺人」など、目を覆いたくなるような心苦しい記事が続くことがあります。

確かに真実ではあります。 真実を誠実に受け止めて、見直さなければならない課題はたくさんあります。 ただし、私たちが支持するのは、報道の方向性が「世の中を明るい方向に進めようとしている」意思を感じるときに限ります。 利用者さんが安心してすごせる施設をつくるために、毎日汗をかきながら必死に努力している老人ホームまでもが、世論から不の色眼鏡で見られてしまうことも事実のひとつだとすれば、それはとても残念なことです。

これから超高齢化社会に進むにつれ、介護を必要とする高齢者は確実に増加します。 「介護の仕事でがんばりたい!」未来を見ている若者の目を輝かすことができるような「明るいニュース」がもっと多くてもいいのではないかと思うのです。 それが在宅介護でも、施設介護でも、介護ロボットのテクノロジーでも何でもいいんです。 「介護の仕事ってこんなやりがいがあるのか!自分もチャレンジしたい!」、「私も同じことを考えてた!やっぱりこのまま頑張ってみよう!」 この記事に触れることで、これから介護の道を進もうとしている未経験者の方の応援に、今介護の仕事で悩んでいる功労者の方の励ましに、現場で働く職員さんの言葉を通じて、 老人ホームの『事実のひとつ』をお伝えできればと思います。

このキャスターも書いているように、「近年、高齢化に伴って・・・」、これから超高齢化社会に進むにつれ・・・」と言う背景が、老人ホーム経営管理にはあります。

 

従って、増加しつつある高齢者を対象としたビジネスは、今後、ますます繁盛すると思われます。 老人ホームの「有料化」は、ビジネス化、事業化を前提としています。 平たく言えば、「金儲け目的」です。 顧客は、高齢者自身ではありません。 高齢者(親)を預ける家族が顧客になります。 親が、特に「ボケたり」、「認知症を患ったり」、「寝たきりになった」すると、親は、しばしば、家の厄介者です。 その結果、老人ホームは、多くの場合、厄介者(=たわけ)の集団に成ります。

 

家族は、一般に、老人ホーム居住者とは、生活を共にしません。 家族は、自分たちで親を面倒見きれなくなったからこそ、「親を預けたくなる」老人ホーム(つまり、姥捨て山)へ、少々の「金なら払って」でも預けようとするのです。

家族は、「親を預けて」、自分たちは、自分たちの生活を維持するのに忙しいでしょうから、細かい点までは、関わってきません(元々、親を預ける目的がそうだったのですから)。

 

近頃、高齢化に伴って、このビジネスへ参入する「本来、無関係な分野の事業を専門」とする「大企業=ホールディングス」が、老人ホーム経営と言う大きな稔が期待できる分野へ参入してきています。 経営の仕方も、「儲け」が主となり、「金を払ってくれるなら」入居予定者が、ボケていようと、認知症患者であろうと、身体障害者であろうと、とにかく掻き集めようとします。 このように、人を「ふるい」に懸けて、厄介者=たわけを掻き集めるのですから、勢い、老人ホームは、「タワケの館化」してきます、

 

翻って、老人ホームに勤務する施設長、ヘルパーを含む職員は、被雇用者です。

彼等にとっては、老人ホーム居住者は、家族ではありません。 通常、生活も別の形で(自分らの形態で)過ごしています。 従って、食事内容はもとより、食事の場所、食事の什器(食器)共にしません。 生活態様一般について、別の態様で過ごしています。 極論すれば、入居者が食べているものの「形態を彼等は知っていますが、味は知りません」。 さらに、極論すれば、入居者にとっては、職員は、「他人」です。 いろいろな「他人」がいるだけで、職員たちは仕事として、「他人事」をあしらっているのです。

 

こうした他人群を管理・監督する施設長は、就任当初は、張り切っています。

おそらく、いろいろな夢、理想を抱えているのでしょう。 しかし、大抵の場合、そのような「初期の夢、初志、は、他人事をあしらっている内に、就任後半年ぐらいで」萎んでしまいます。 入居者たちも、施設長にとっては、他人です。 他人のことについて、他人事を世話するようにと、職員という他人の群れを管理するのですから、よほど理想に溢れた、志操の高い、かつ管理技能に優れた人でなければ、就任当初の夢は、敢え無く、萎んでしまうのでしょう。

 

職員たちにとっては、「何を為すべきか」よりも、「何をしてはならないか」の方が重大事です。 落ち度(入居者・入居者家族の苦情)、職務上の失敗、叱責、減給、解雇、など、警戒すべきことは多々あります。 「介護の仕事」は、恐るべき仕事なので、明日の自分の食事、遊興、休み、にも関わる重大事です。

 

以上は、決して、介護の仕事、老人ホーム生活、etc.のネガテイブな側面ではなくて、ポジテイブな側面なのです。 このキャスターは、ポジテイブな側面として、以下のように夢見ています。 私も、老人ホームの楽しい遊びの側面ばかりでなく、アンドロイド化に可能性を感じています。

 

これから超高齢化社会に進むにつれ、介護を必要とする高齢者は確実に増加します。 「介護の仕事でがんばりたい!」未来を見ている若者の目を輝かすことができるような「明るいニュース」がもっと多くてもいいのではないかと思うのです。・・・・・・・・・・・・・・・・(前出)

 

このキャスターが、報じているように、今までの、そして現在の、老人ホームに関わるニュース、そうして実態には、老人殺傷、いじめ、放置(無介護)、など、暗い物が多すぎます(同感=事実が暗いのですが)。 介護の仕事で頑張る若者に期待します。

 

最後に、いままでは「姥捨て山」の暗い山道へ入ってくる人はあまりいませんでした。 あの「ニュース好きのマスコミ」すら、ニュースにならない(?)ボケた老人が多く棲む姥捨て山=タワケの館へは、「たわけ者」が茂る山奥へはかきわけて入ってこようとはしなかったのに、このキャスターは、入ろうとしています。 大歓迎です。