鉄道大臣のひとりごと

老人ホームで過ごしながら徒然に考えたこと

ホームレス

社会には、帰る場所の無い人たちが居ます。 いわゆる、「ホームレス」です。

「侘びしい」という日本語は、この人達のために作られた言葉のように響ます。 冬空の寒い日、路上にあって、肩をすくめながら、他所(よそ)の家庭の子供たちが騒いでいるのを、遠くから独り眺めるのは、文字通り、侘びしいものです。 そこには、団欒(だんらん)があるのに、自分には、仲間がいません。 「心が細くなる」のも、宜(むべ)なるかなと言えましょう。

 

しかし、この地球上には、自分たちが帰る場所(所属する国)を持たない人たちのグループ(民族)が居ます。 「クルド民族」と「ロヒンギャ」の人たちです。 

 

クルド人は、イラン(480万)、イラク、(410万)、トルコ(140万)、シリア(250万)に跨って、そして相当数がドイツ(80万)に住んでいますが、彼等の独自国家は、存在しません。 また、ロヒンギャの人たちも、ミヤンマー(西部)とバングラデシュ、両国の間を漂泊する独自の国をもたない人たちです。 

 

自分たちの国(政府)を持たないと、いろいろな不便があります。 毎日の生活の安寧、福祉、を考えても、まず「健康保険」がそうした望まれる便利です。 

さらにまた、ヴィザ(査証)がなければ、外国へ行けません(外国の方が入国させません)が、誰が、何処が、査証を発行しますか? Etc.と自分の国がない事の不便を数え上げたら切りがありません。

 

 しかし、この人達に、「土地=国土」を与えようとする他国は殆どありません。 あの広大な氷の世界を、自分たちの国土として持つ北の大国も、他国の土地を掠め取ろうとはしますが、自国の土地は、寸地たりとも譲りません。 太平洋と大西洋に挟まれた大国は、「以前は」、国「籍」を他所から来る人たちに与えていましたが、今は、自国ファーストを唱え、それを拒絶しそうです。 広大な土地を持つあの亜細亜の大国は、土地を他国民に与えるどころか、他国へ自国民を与えようとしています。 

 

では、彼等に土地を与えたとしたら、どうなるでしょう。 人間には、同胞の意識があります。 仲間同士で、屯(たむろ)します。 小さくは、同窓会、近所意識、同郷人、大きくは、民族、白人、黒人、アジア人、など、同種が集まろうとします(排他意識を含めて)。 人間には異種の中へ容易に溶け込む事がきない(他種を容れない)「性(さが)」があります。

 

異種を受け入れた結果、受け入れたその異種に自分たち民族の自治・独立を叫ばれ、そのための活動を行われる恐れがあるとなると、自国へ「クルド人」や「ロヒンギャ」を招き入れようとする国や政府、民族は、少なくなるはずです。 中東地域で、多数の他種の人々(グループ)を導入した「実験的事例」がありました。 この事例は、やや、性質は異なるかも知れませんが、他種の人たちが入ってきたために(他種の割込後、数十年経った今も)騒動(戦争)を続けている事例です。

                              

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

注:国連の調査委員会では、ユダヤ人の国家とアラブ人の国家を創設する分割案と連邦制国家とする案が出たが、最終的に分割案が国連総会で採択された。 (1948年5月15日をもって「イギリス政府に依る」委任統治を終了する)・・・・・・・・・・・・・・・・(ウイキペデイア)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

こうした問題の解決の「鍵」は、個別的であるにしろ、団体移民であるにしろ、第三者(例えば、国連)指導による「各国の彼等の受け入れ」の努力と彼等の新世界への「溶け込み」の努力にあると思います。 受け入れ側と立ち入り側(相互)あいだの溶け込みは容易には行えないでしょうが、その為には、年月をかけた「準備」、「相互溶融の体験・努力」が必要だと思われます。 

 

現代の日本人には、「弥生人」や「縄文人」、熊襲蝦夷の区別意識はありません。 同じように、「アイヌ人」、そしておそらく「沖縄人」を区別しなくなっています。 今では、彼等は「同じ!日本」の一地方人と、受け取られています。 日本人同士の「溶融」が進んでいるのです。 段々に、東京も、地方も、無くなってくるはずです。 

 

北アメリカへ近世に侵入した欧米人と今は残り少ない本来の地方(じかた)住人インデアン、そして、アフリカから「輸入された」黒人との平和共存と融和は、双方(三方)の苦難と溶融努力の結果です。 時は掛るかも知れませんが、ことを為さんとするには、関係する民族(受け入れ側と立ち入り側)の意識的努力と時の経過が、クルドとロヒンギャに「帰る場所」、「生きる場所」を与えると思います。