鞍馬天狗

夢寐のたわごと

寛容さ(かんようさ)

意味
心が広くて、よく人の言動を受け入れること。 他の罪や欠点などをきびしく責めないこと。
また、そのさま。「寛容の精神をもって当たる」「寛容な態度をとる」「多少の欠点は寛容する」

 

解説
元来は,異端や異教を許すという宗教上の態度についていわれたのであるが,やがて少数意見や反対意見の表明を許すか,否かという言論の自由の問題に転化し,ついには民主主義の基本原理の一つとなった。 ボルテールは「君のいうことには反対であるが,君がそれをいう権利は死んでも守ろうと思う」と語り,これは寛容の精神をよく示した言葉として引用される。 だが寛容には限界があるとされている。 まず第1に,理性,良心,真理への信念に基づく言説にのみ適用すべきである。 第2に,民主主義を破壊しようとする言動に適用してはならない。 ワイマール共和国がこの限度を知らなかったために悲劇の道をたどったことは歴史的教訓として記憶されている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「緩ゆるし」 とは:
① 罪や過失を、咎め立てしないこと。また、服役中の人を放免する。 《許・赦》 「今度だけは-・してやる」 「子供をだますなんて絶対に-・せない」
② 願い・申し出などをききいれて、願いどおりにさせる。 認める。許可する。 《許・聴》 「大学へ行きたかったのだが、父が-・さなかった」 「医者から一時帰宅を-・された」
③ ある行為を、さしつかえないと認める。 《許》 「屋敷への出入りを-・される」
④ 義務や負担を免除する。 《許・赦》 「税を-・す」
⑤ 相手のはたらきかけに対し、思いどおりにさせる。 《許》 「敵の侵入を-・す」 「肌を-・す」働きかけに対し、思い通りにさせる。 《本》 「敵の侵入を-・す」 「肌を-・す」
⑥ 他に対する警戒心を緩める。 《許》 「気を-・す」 「心を-・す」
⑦ その人を取り巻く状況が、ある事を可能にする。 《許》 「時間が-・すならもう少し述べたいことがある」 「予算が-・せばもっと広い家を買いたかった」 「延期は状況が-・さない」
⑧ すぐれた存在であると認める。 《許》 「第一人者として自他ともに-・す」
⑨ ある水準に達したと認める。 《許・赦》 「免許皆伝を-・す」
⑩ 強く締めたり、引いたりしたものを緩める。 「猫の綱-・しつれば/源氏 若菜上」
⑪ 手放す。自由にする。 「夕狩に千鳥踏み立て追ふごとに-・すことなく/万葉集 4011」

[可能] 許せる。                        

三省堂大辞林 第三版

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

許す(赦す、恕す、宥す、宥す、緩す、恕す、etc.)ことは、極めて多様な意味で使われる観念、言葉、です。 だが、これらの多様な意味を貫く一筋の主要観念(心=気持ち)は、「力を抜く事」です。 何らかの形の力を加えている状態で、その力を無くすことが、「ゆるす」なのです。

力を加える側は、人間にしても、機械にしても、また集団や機構(システム)にしても、相当な緊張(精神的な=生理的な、物理的なエネルギーの必要)を感じ、使っている筈です。 その緊張を解くことが、「ゆるす」為には必要なのです。

これを言い換えると、「虚」の状態になることが、「ゆるす」には必要なのです。 これを生きて活動している人間の場合に引き寄せて(絞って)考えると、生きるとは、「能動」の状態ですから、能動的存在である人間の精神(心)を「虚」の状態に置くには、相当なマイナス方向への精神的緊張(努力)が必要になると思います。

力を加えることがプラスなら、力を抜く事はマイナスです。 その中間に虚脱状態があります。 詰まり、休息している状態、寝ている状態が、それに相当するでしょう。 しかし、人間は、生活している限り、何らかの働きを執っているのですから、休息状態、睡眠状態は別として、積極的=能動的に「力を入れる」か、「力を抜いて」います。 

心が広いとは、緊張を解いた心、「力まない」あり方のことです。 ゆるやかで、のびのびした、たゆたうような気持ちで生きている生き方が、寛容の心の背景にあると思います。 仕事、仕事で日夜追い回されている最近のビジネスマンには、このような力を抜いた、いわば弛緩した状態にある、のんびりした生き方は難しいかも知れません。 睡眠中や休息中ですらなんらかの活動を行っていると思います。 

そうした忙しい、緊張した状態にある官庁、企業、など諸々の機関の他の人達を指揮、監督して、リードする立場にある経営・管理者諸氏には、このような「心の緊張を解いた」力まない心の緩やかな許す心を望みたいものです。