鞍馬天狗

夢寐のたわごと

定着化

私が寡聞であることは認める。 浅見であるやも知れないことも認める。 従って、以下に述べることは、単なる一老人の「呟き」であると見逃して頂きたい。 だが「老人であるが故に」止むに止まれぬ気持ちで呟く。

つい最近「女は、子を産む機械である」と、多くの選良の前で述べた一人の選良がいた。 この男は、世間のバッシングを受けて舞台から消えた。 しかし、この男が未だ生きているなら、未だ(いまだ)に心の底で、「でも、本当だ」と嘯いているに違いない。

一昔前まで、「嫁にやる」、「嫁に貰う」という言葉をよく聞いた。 しかし、「婿にと取る」、「婿にやる」という実態は有ったが、言葉としては余り聞かなかった。 世間は変わる。 矢車のように。 だが、吹く風は、強かったり、弱かったりする。

世は変わる。 ゆっくりと。 だが、変わり方が、場所、年代、などによって違う。 我が代の春は、遠く去っていった。 立冬も近い。 ♪赤い靴、履いてた女の子、異人さんに連れられていっちゃた♪  だが、その異人さんは、多くのものを、持ってきた。 

文化は移る(感染る)。 西洋のものも、今は我がもの。  アフリカのものも、滲みこんできている。 文化は痩せたり、太ったりする。  一時は、定着したかに見えても、絶えず変わっている。 「天孫」も、すぐ代替わりする。
古事記も、日本書紀も、残影を残しつつ、遠い彼方へ移ろい(うつろい)ゆく。

私もまた、100歳のマイルストーンを目前にしながら、世間の舞台からは去ってゆく。 しかし、人間の寿命も伸びる。 目標は、まだ遠い。 遠い彼方にある。