鞍馬天狗

夢寐のたわごと

土地の文化、伝統の特徴

人間の心は、昔から」「知、情、意」から成るとされる。 知に働けば角が立ち、情に棹させば流され、意(意地)を通せば窮屈になる、という訳で、これを言い換えると、人の気持ちは、理知的にも、感情的にも、反応する、ということだ。 言い方が悪いと、相手を「煽り運転」に走らせ、死を招いたり、禁錮18年の刑に処されたりする。 心(気持ち)自体に関わる「意」のことはさておき、人間の気持ちは、知か情か、あるいは両方に反応するようだ。

その知と情に訴えて人の気持ちを動かすそれぞれの各土地の文化的特徴・つまり、気風・風土を探れば、大まかに言うと、およそ次のような特徴が挙げられる。 侘(ワビ)、寂(サビ)、艶(エン、ツヤ)、華(カ=華麗)、侠(キョウ=侠気)、武(ブ=武骨)、静(セイ=静寂)、老(ロウ=老齢)、若(ジャク=若気)、軽(ケイ=軽薄)、重(ジュウ=重厚)、動(ドウ=活動=慌ただしさ)、美(ビ=美麗)、醜(シュウ=醜悪)、旨さ(ウマサ=美味)不味さ、(マズサ)、拍(ハク=拍子=調子=舞踊)、狂(キョウ=狂騒)、乱(ラン=乱暴=乱舞)、古(コ)、新(シン)、渋(ジュウ=渋味)、淡白さ、明(あかるさ)、暗さ(くらさ)、etc. 

例えば、名高い「鎌倉市」を例に取ると、鎌倉市には、侘、寂、武、古、静、などの特徴が際立って強く、奈良、京都に劣らぬ重さが、この都市に備わるこれらの特徴から感じられる。

他方、東京都を例に取れば、東京は、さすが総合的近代都市に相応しく、侘、寂、艶、華、武、静、老、若、軽、重、動、美、醜、旨さ、不味さ、拍、狂、乱、古、新、などの特徴を、万遍なく、少しずつ備えているが、近代大都市圏であること以外には、取り立てて言うべき特徴(風土)は持たない。 

そうした万遍なく備わる特徴を、敢えて知と情の二大側面に視点を据えて、改めて眺めて見ると、この大近代都市圏に備わる特徴的側面は軽薄、重厚の両面に於ける「知=理性」である。

有名な京都市に視点を据えれば、この都市には侘、寂、艶、老、重、美、旨、拍、古の要素が色濃く漂い、とりわけ、寺社の多い、この都市から重く感じられるのは、詫、寂、艶、の三つの特徴であり、更に独特の感じを与えるのは、この都市に漲る渋さ(=渋味)を加えた「情=情感」の側面である。