鉄道大臣

夢寐のたわごと

ワンチームⅡ

今年の世界ラグビー戦では、日本のチームが大活躍をしました。 
意外な成果を挙げました。 最終的にベスト8にまで、勝ち残ったのです。 選手たちは、そして世間も、その偉業をもたらしたのは、日本チームの「ワンチーム」の精神だと言っています。

ワンチームに、団結すると、メンバー個々人には、思いもよらない総合的な力が働くと言われています。 日本ラグビーチームの強さもその辺の理由によったのでしょう。 がよく考えてみると、この団結力は、「敵」を想定しています。 「敵の存在」が、大きな鍵になっています。 その意味で、この力は「排他的」です。 対話、融和、平和、安心、安堵、協力を望む人間にとっては、あまり望ましい力ではありません。

この力は、先の太東亜戦争時代を想起させます。 「一億総力戦」や「滅私奉公」の臭いがするので、あまり歓迎したくありません。 

この力は、取り直して言えば、「閥」の力に他なりません。 私たちは、例えば政党や世間の「閥」、「派閥」の存在を批判します。その矢面に立って、奮戦しているのは、マスコミです。

マスコミは、無責任です。 一方で、政党内の閥の存在を批判しながら、他方で、ワンチームを歓呼の声で迎えているのです。 
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閥=派閥
地縁,血縁,出身校など共通の属性に基づいて相互扶助や共同防衛行動などを行うインフォーマルな組織。 閥の集団運動としての特性は,開かれた,あるいは公的な社会的な場において,自分たちだけが私的な閉じられた集団性をもって行動するところにあり,その目的は,所属員にある程度の保護を加えると同時に,その閥が含まれる広い社会状況のなかで,彼らが活動する場合に,彼らだけの利益になるように作用するところにある。 閥内部の結合は第1次集団的な社会的情緒を基調とし,身分制の原理が強く働いている。 日本での閥の諸形態としては,古く藩閥軍閥などがあり,閨閥,郷土閥,学閥などは現在でも多くの社会場面で力をもっている。閥は近代的な公的生活を攪乱し,組織の能率を阻害し,採用,選抜,昇進などの諸過程における自由な社会的移動を妨げるなどの弊害をもっている。…(コトバンク)
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マスコミは、言葉を巧みに使い分けます。 「閥」に似た概念として「派」があります。 私の言葉の感触では、閥は、どちらかといえば悪い意味を強く持たせて、派は、やや軽い意味で、しかし、いずれにしても「批判」しているのですが、表現に行き詰まると、「派閥」と一からげに批判します。 
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は【派】
1 一つのもとから分かれ出た、流儀や傾向・態度を同じくするそれぞれの仲間・系統。「党内に新しく派を立てる」
2 接尾語的に用いて、仲間・系統を表す語の下に付き、そのような性格・傾向をもったものの意を表す。「主流派」「印象派」「鷹(たか)派と鳩派
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(コトバンク
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派閥(ワンチーム)の観念は、あまり歓迎すべき実態を生んでいません。 実態の幾つかの例を挙げると、「愛国心」、「郷土愛」、そして「XXファースト」など、どれもが「排他的」なので(従って、人間同士の競争を煽り、お互いの敵対視を招く、更に、自分中心の自己中心主義)人類社会に害悪をもたらすおそれがあります。 

しかも、この観念は、孤独を恐れる人の心に訴え、彼らの共感を呼び、しかも、弱者に対する救いの気配を持ちますから、容易に根絶やしには出来ません。 特に、「和」を尊重する気持ちの強い日本人には、「堪えられない」心強さを感じさせる魅惑的観念です。

要するに、「ワンチーム」は、「XXXファースト」と同類の思想です。 本当の意味の「和」を求めるなら、「ワンチーム」や「XXXファースト」の観念は、歓迎してはなりません。 ワンチームやXXXファーストは、「日本人らしく」ないのです。