鉄道大臣

夢寐のたわごと

持てないものを持つ

近頃、日本語がおかしくなっている。 私は、僅か90年の生涯を経験した老人だが、私が教わり、使い慣れた日本語では、「持てなかったもの」を、近頃は、特に偉い、国民の代表たる大臣が、更に特に、若造の大臣諸候の首領が「持って」いる。

その例が、「透明性」であり、「スピード感」である。 「抽象物」を持つことは、神仏、妖怪、魑魅魍魎なら、為すことの出来る技で、普通の人間に為し得る技ではない。 皮肉を言えば、政界こそが、神仏ならぬ、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の蔓延る世界で、通常の庶民が住める世界ではない。

抽象物は「ごまかしの利く」便利なもので、特に、「うつけ」の多い庶民向けの言葉である。 うつけ共は、抽象的な表現を聞くと、意味も分からず、何でも「ご無理ご尤も」とうなずいてしまう。