鉄道大臣

夢寐のたわごと

頑張れ!

「がんばれ!」、「がんばります」は、日本人が好んで使う便利な表現である。 何事を為すにも、何時の場合も、この表現を使えば、その場は、一応、無事に、こと足りる。

そういえば、昔、戦意昂揚の為、全国民が挙って、頑張れ!と叫んだことがあった。 お国の為に、前線に向かう応召の兵隊さんたちも、その兵隊さんたちを見送る側の世間も、「頑張れ!」、「頑張ってきます」と、それぞれが囃し、答えたものだ。 いや、これは昔の話ではない。 今現在も、野球場や相撲の土俵上で、選挙の街頭演説で、結婚式場で、「頑張ります!」と叫ぶ選手や力士、新郎も少なくない。 具体的に、どうするのかが判らないのだから、「頑張り」様がないではないか!

こうした叱咤激励する「厳しい」励ましが、日本では、昔も今も、広く一様に必要とされるらしい。 何故、そんなに励まねばならないのか、「死ぬまで」頑張る企業戦士も居る様だが、世間は、何故、その様な悲壮な努力を叱咤激励するのか? 

なお、「頑張れ!」と言う表現は、前向きの「奮い立つ心」を抱く相手にも、不幸な事件に落ち込み「心が萎えて、心が内向き」なった相手にも、両様に使える便利な表現である。 いわば、万能の表現であるから、どのような場面でも、「頑張れ!」とさえ言っておれば、無事に対応出来る表現であると、言うことができる。

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<しったげきれい>と 「叱咤激励は「大声でしかるように励まし、気持ちを奮い立てること」です。  「叱咤」は「怒気をあらわして大声でしかること」、「激励」は「はげまし気を引き立たせること」を意味します。  激しい言葉や大きな声で励ますこと・しかりつけるようにして励ますことを表します。
(ウエキペディア)
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「頑張れ!」という掛け声は、無責任な掛ける側の便利な常用語である。 日本人の文化的心情である「一心不乱」、「刻苦勉励」、「勤勉努力」を煽り立てるのは、高速道路上の「あおり運転」の心情に通じるものがある。 だからこそ、「無責任だ」と筆者は、糾弾しているのである。 この表現の便利さ故に、自分自身を安全地帯に置いて、この言葉で、他人を煽り立てるのである。

近頃は、「頑張れ、頑張ります」と言う表現のマンネリズムが、世間にも判り始めたらしく、この表現の同意語らしい英語の「エール」が、代替語として使われることもある。

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エール (応援) (英語:yell) - 応援の際に発する声。声援。 以下の楽曲、アルバム、雑誌のタイトルその他はこれを意味する。 なお、英語でyellは元来、単に大声や叫び(をあげる)、怒鳴る、といった意味が強い。

(ウエキペディア)
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「頑張れ!」が、「エール」に代わったからと言って、「激励」の意味は変わらない。 英語に慣れない世間の人々には、「ピンとこない」だけで、「痛烈さが響かず」、それはそれなりに利点もあるだろうが、その内に「ピン」と来るようになる。 来れば、間もなく、気持を急かせるようになる。 「元の木阿弥」とは、このような状態を言う。