鉄道大臣

夢寐のたわごと

リーダーシップと着眼(発想)

繰り返し述べるが、リーダ―シップの基本要素は、①目標設定と②目標達成である。

だが、一般に、目標設定の局面は、リーダーの発想力、つまり「個人的能力」という当人の自尊心(尊厳)にかかわるセンシテイブな事柄なので、避けられることの多い話題である。 従って、当人はもちろん、世間の目もリーダーシップの第二の要素、「達成」に向けられることが多かった。 

筆者は、あえてこのタブーに挑戦してみたいと思う。 いうまでもなく、筆者の目標設定が、特に抜群だと己惚れるわけではないが、目標設定の核心は着眼(発想)の優劣にあるので、その一例を提議してみたい。  

当今、インバウンドの観光、つまり、外国人の日本への観光旅行による経済効果が求められている。 私は、この外国人の観光旅行についての提議してみたい。 外国人の観光が、文化交流に繋がると、いろいろ取りざたされるが、果たしてそうだろうか? 私は、2日や3日、長くて1~2週間、更に長くて一年程度の「旅行」で、数百年、千年に渡って築かれてきた日本の「伝統文化」が正しく伝わるとは思わない。 早い話が、四季の一年に渡る各地方の日本文化の豊かな変貌が、僅かの期間の観光で体験できるはずが無い。 

写真や動画を通じて、仮想された(ヴァーチャルな)日本文化を軽く「なめる」事は出来るだろうが、それも「なめる」程度であり、舐めたにしても、砂糖・黒糖の代わりに、人口甘味料をなめる程度の事である。日本文化を外国に伝えるためには、当該外国人に生活を共有して貰う必要がある。 それだけのことをやったにしても、日本の特定個人が住む地方、周囲の文化に馴染むだけで、この広い(狭い)日本の文化が理解されるはずが無い。 

それでは、文化交流は絶望的かと言えば、必ずしもそうではない。  生活を共有することは、もちろんだが、それ以外にも、訪日の事前なり、事後なりの濃厚な「予習・復習」がある。  口コミ、図書、報道、写真、動画、等々、近代的なデジタル・システムを交えた文化紹介。 このような濃厚な事前の予習を経た上で、「百聞は一見に如かず」を例証する「訪日体験」を通じて理解度を確認し、帰国後は、訪日中の体験の印象を繰り返して事後復習すれば、日本文化の理解と「おもてなし」の効果はそれなりに深まると思う。 

このような訪日の事前・事後の学習には、日本政府(観光局)の努力・協力も欠かせない。 観光旅行予想者が住む国々(世界各国)における日本文化紹介とフォローアップ、日本国内における観光案内、など、肌理の細かい誘致、紹介も必要になる。 ともあれ、方法論については、これまでにして、設定する目標は、「インバウンド観光拡大」なる基本目標ばかりでなく、事柄別に設定するサブ目標も多いと思われるので、国全体を挙げての観光事業総「目標」は、極めて数多くなる。元々、観光立国で儲けようとするのだから、それも当然である。

「儲けてから」という後追い施策は儲けのためには、犠牲にすべきである。 あくまで、儲けるための「先行投資」に徹すべきである。 以上、簡単ではあるが、日本の向後の「インバウンド観光」について、目標設定を試みてみた。