鉄道大臣

夢寐のたわごと

リーダーシップの技法Ⅳ

今まで、繰返し述べてきたように、リーダーシップには要素が3つあります。 目標設定、目標達成、そして、リーダーその人です。 

リーダーであることは、リーダーとしての役目、役柄を担うことですが、リーダーの役目は課題を選定し、設定して、その課題の達成を図る役目をリーダーは担います。 このリーダーシップの要素は、リーダーシップ一般について述べたものですから、大組織のリーダーのリーダーシップにも、少人数のグループのリーダーのリーダーシップにも、どのリーダーシップにも、当てはまる要素です。

課題(目標)設定は、リーダーの着眼、発想、及び(与えられた事態の)所与の要請・要件によって行われます。 課題(目標)達成は、リーダーの遂行技能に応じて果たされます。 つまり、リーダーには、設定と遂行の責任の二つ責任が担われていることになります。 

設定の責任は、最終的には、設定者(リーダー)の「結果責任」として問われます。 達成(=遂行)の責任は、遂行者であるリーダーの「遂行責任」として問われます。 一般的に言って、リーダーたる人は、結果と遂行の二つの責任を担うのです。課題(目標)の設定の必要は、多くの場合、所与の事情から発生してくるものです。 他に、誰かの着眼、発想から思い付かれることもあります。 

いずれにしても、以下の説明は、「課題(目標)ありき」の視点から出発点します。 全体課題の設定は、当初は、全体リーダーの着眼、発想、ないし、その「場」に与えられた(所与)ものとして出現します。 全体リーダーが掲げる課題の良否、適否は、全体リーダーの着眼、発想、または、所与の事情の良否、適否に関わるものですから、此処では論じません。 

以下の説明は、全体リーダー以外の、例えば、企業や大(事業)組織の中間管理者、小グループのリーダー、学校の先生、大総合病院の医師などを念頭において、説明するものです。全体リーダーの戦略、戦術は、別として、課題(目標)を与えられたリーダーは、その課題(目標)の達成に努力しなければなりません。 従って、その為の方法・手段行使に努力することになります。 

当然ながら、与えられた課題の種類、重要度、サイズ、などによっても、達成手段・方法の在り方も変わってきます。 最も原始的で、一般的な工夫・方法は、まず、リーダー自身が自分独りで、やることですが、巨大組織、または重大な課題に関与するときには、しばしば同僚(仲間)、部下、などの組織の手を借りなければならないことも起こります。

達成の手段・方法に他人の手を借りると、当然、手段・方法として働いて呉れるフオローアー集団と個々の部下の指揮・統率という問題が副次的に発生します。 この副次的問題は、当該集団の種類、サイズ、与えられた時間などにもよりますが、さらに、フオローアーの人事、配置、報酬の管理、指揮系統の在り方、権限の委譲、等々、「計画、組織化、指揮、統制、調整」など、管理機能に関わる副々次的問題へ展開・拡大されます。 

こうした部下管理上の複雑さを幾分でも軽減するために、手段・方法の諸部分を制度化、マニュアル化、コンピュータ(IT・AI)化することはできます。 しかし、いくらこのように手段・方法の「非人格化」を進めても、非人格化的には処置しきれない部分が、どうしても残り、その部分については、人手(上司、または専門=訓練担当者)で補わざるを得ないことになります。 

仕事上の恒常的要請は別として、そこで個々のリーダーに日常的に求められるのは、管理一般は当然のことながら、当面の作業を円滑に進めるために、部下を指導、コーチすることです。 「マニュアルを読め!」、「誰々に聞け!」など、いくら忙しくとも、こうした無責任な指導は、普通は、職場のリーダーには許されません。 

リーダーには、コーチング・スキルも必要なのです。 組織のリーダーのレベルがに関わらず、どのレベルでも、コーチング・スキルが必要になるのです。 尤も、他の人に物事(課題)を教えることは、身分、関係、性別、年齢などに関係なく、何所でも、何時でも、常に行われることですから、コーチングのスキル自体は、万能で、万用です。 

機械化された手段・方法の利用は、相当程度にリーダーの課題達成努力を助けますが、リーダーのフォローアー、つまり,人間をコーチする局面は、リーダーの力量、それに人間性が、ハッキリと表れる局面です。 人間性は、リーダーの所与の条件ですから、此処での論議を省くとして、残る局面は、部下たちの課題(業務=仕事)遂行の「能力」と「意欲」をコーチするリーダーの力量(能力)です。 

この局面、つまり、リーダーシップの、または、リーダーの能力と意欲、以後は簡略して、「リーダーシップの技能」と呼ぶことにします。 なお、リーダーシップの技能の「詳細」については、これが「具体的なもの」であるだけに、特許が取られている方法を含めて、具体的名称や形が幾つも存在します。