鉄道大臣

夢寐のたわごと

引き出しの壁

私の頭の中には、沢山の小引き出しが、昔の町医者の診察室のように、壁になって右側に立ち上がっている。 駆け出しの頃は、下段の使い易い引き出しを使って、新薬を入れていた。 客が増え、使う薬の種類が増えるにつれ、下段の方の小引き出しをだんだんに使って行った。 

近頃は、背伸びしないと手の届かない高さの引き出しまで使うようになってきた。 腰が伸びなくなってきたので、いちいち、その都度、高い位置の引き出しを開けて、新薬を出仕入れすのは億劫だ。 でもまだ、上の方に使っていない小引き出しが、幾つか残っている。 何とかしなくっちゃ。

最近は、新薬の発表が増えてきている。 新しい病気が、次々と発見されるからだ。 その度に、私の頭の中の小引き出しは、埋まって行く。 だが、もうこれ以上の勉強はつらいな。  引き出しも一杯になってきたことだし、この辺で、私の薬棚の壁は、満杯と言うことにしようか。 いやいや、腰を延ばしなさい。 手が届くじゃないか。

ITとか、AIとか、多いな。 えぇ、スマホも、新病か? もういいよ。 引き出しは、一杯だよ。