鉄道大臣

夢寐のたわごと

親分 (リーダー)

親分(おやぶん)

  侠客 (きょうかく) ・ばくち打ちなどの仲間で、頭 (かしら) として頂く人。「親分子分の杯を交わす」⇔子分 仮に親と決めて、頼りにする人。 仮親。⇔子分

―「伯母婿ながらそなたの―」〈浄・宵庚申〉

 

親分肌

親分のように頼り甲斐があり、仲間の面倒をよくみる気性。

一見親分肌の男でどことなし棟梁の気分が供つて居た」

出典:日本国語大辞典精選版

日本人が好む「畏敬される人」は、例えば、♪ 清水港の名物は、お茶の香りと男伊達、♪ と歌われる男伊達の頭「清水の次郎長」のような、義理と人情に厚いが、正義に強く、強きを挫き、弱きを助ける、竹を割ったような人物と、相場が決まっています。 

力と情け、この二つを備えた気性のサッパリした人物が、親分であることの条件です。 この条件の内で、一番、手に入れ易いのは、力です。 入手の難しいのは、「情」けですが、これは「育ち」、つまり「環境」に恵まれると、得ることがあります。 極めて難しいのは、「気性」です。 というのも、気性は、生まれつきの生理的なものだからです。 

西欧にも日本の「親分」に匹敵すると思われる概念に「リーダー」の概念があります。 近代経営学の父と呼ばれ、日本にも信奉者の多いオーストリア人、PF・ドラッカーは、次のような「リーダー」の定義を示しています。

ドラッカーは『プロフェッショナルの条件』にて、リーダーシップについてこう述べています。

「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。 リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である」

また著書の中では、リーダーシップの定義として、以下のようにも述べています。

「リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである」

リーダーシップは才能や性格に左右される

ウイキペディア

上記に掲げた定義の最後の「才能や性格に左右される」という条件は、日本の親分に求めれれる「気性」に相当するようです。 

今一度、視点を変えて、西欧人の言う「リーダー」の条件と日本で言う「親分」の条件を重ね合わせて、定義付けてみます。 リーダー(親分は、率いる集団(組織)の目標を明確に掲げ、その目標の優先順序を明らかにすると共に、基準化して、実現を図る人物だと言えます。   さらに、ドラッカーの言う「性格」を、言葉を変えて日本的な感触を残して言うなら、「人間味」とでもいえるでしょう。 

日本人は、従う親分(リーダー) には、何よりも、まず人間味を求めます。 親分が「世渡り上手」であることは、二の次です。 元々、経営というものが、いわば「手段」ですから、手段に長けていることは、親分の(もしくは、片腕となる参謀、側近の)必須の条件なのです。 ドラッカーは、リーダーシップは「仕事である」と言っていますが、日本には「親分業」というものはありません。 

親分であることは、職業ではないのです。 親分であることは、子分たちに、持ち上げられるほどの人徳を備えていることであり、人柄や当人の人生観、価値観、などに属することなので、「仕事」のような「手先の作業」、「技能」など、手段に属することではないのです。