鉄道大臣

夢寐のたわごと

ホームレス

私は、92歳になるが、その半生をアメリカ人と共に生きてきた。

従って、純粋の日本人と自負しているが、少々の英語は使えるし、理解もできる。 

ホームレスという言葉が、最近使われるようになった。 カタカナ英語の日本語が流行する今日だが、その英語めかした日本語が誤解を生んでいる。 その例の一つが、「ホームレス」である。

私は、故有って、老人ホームで20年ばかり生活しているが、老人ホームに住む人達は、いわゆるホームレスではない。 彼らは老人ホームという立派なホームに住んでいる。 決して、路上生活者ではない。 

仮に、さらにカタカナ英語の日本語を使えば、老人ホームの生活者は、ホームレスではあるが、彼等は、むしろ「家族=家庭レス」なのである。

本当のホームは、ハードウエアとしての家屋ではなく、暖かい血の通ったソフトウェアとしての「ホーム」である。 最近、あるアメリカ映画を見たが、その映画に描かれた「ナースリー・ホーム」は、正に、望ましい形の老人ホームであった。

ナースリー・ホームという考えは、日本へ移入されてから、日も浅い。 東京の家政大学で、幼児を対象にして、試みが行われているようだが、この考えは、本来、高齢者を対象に考え出されたものである。 私が感銘を受けたのは、ここにおける「ケアー」、つまり介護についての考え方であった。

日本では、老人ホームの「ヘルパー(介護人)」たちは、ホームに入居している老人たちを「ハンドル」はしているが、「ケアー」している節がない。 仮にあるにしても、それは担当者の個人的な性格がケアーさせるので、一般的には、「給料を貰っているから」施設の老人たちの面倒を見ているので、「暖かい家族の目」を向けているわけではない。

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ナーシングホームとは欧米の呼び方で、日本での明確な定義はありませんが、介護だけでなく、看護師を中心とした医療提供や看取りを行う老人ホームのことです。 超高齢化社会に突入したことで、けがや病気をしても最後まで医療機関で治療してもらうのが難しくなり、在宅での治療や療養が必要不可欠になりつつあります。

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開設理念  ナースリールーム創始者 初代室長 山下俊郎
ナースリーは乳幼児の保育を行う施設であるが、安全で健康な生活のなかで心理的、身体的な発達を順調に進めていくことが至上命令として課せられている。そのため、施設、職員の面でぜいたくな施設になることは子どものしあわせという立場からするとき止むを得ない。(中略)子ども、ことに一番幼い乳幼児が大切にされなければならないことは、わたくしが一生叫びつづけることであり、そのことはわたくしに課せられている使命であると考えている。

(中略)

子ども、ことに乳幼児は自ら人に強く訴えることができない。 そのかわり、わたくしたち大人が子どもの代わりに強く、執拗に訴えることが大人に課せられている役割であると考えている。

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ナースリールームでは、ゆったりとした家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりの発育や発達に応じたていねいな関りをこころがけ、その子らしさ、その家庭らしさが育っていくことを大切に考えています。また、木々に囲まれた大学のキャンパス内で、小鳥のさえずりや草花、たくさんの木の実などの自然に触れ、季節を感じながら、日々安心できる大人とのやりとりの中で、気持ちよくのびのびと自分を発揮し、ともだちと楽しさを共有し、豊かな経験を積み重ねていけるよう努力しています。
そして、保護者と職員との細やかな連携を大切にし、子どもも大人も共に育ちあえるような場でありたいと願っています。

所在地: 〒173-8602 東京都板橋区加賀1-18-1 TEL:03-3961-5220 

(昭和52年4月 十周年記念誌「ナースリールーム十年」より一部抜粋)
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老人ホームは、元来、何らかの理由があって、家庭では面倒を見切れない老人を、(有料、または公費で)介護して呉れる機関の筈である。 入居せしめられる老人は、ボケていようが、いまいが、そこに、暖かい家庭のぬくもりがあることを願っている。

ナースは、ハンドルではない。 ナーシングは、「金づく」ではなく、デユテイ(責務)として行うものではない。 ナースされる側の気持ちを推し量って、ナースされる側がしたいように、することである。 単に、「寄り添う」というよりも、「憑依(ひょうい)」するのが、ナーシングではないかと思う。

老人ホームに対する考えを改めるべきである。 旧来の老人ホームの延長線上で、新しい老人ホームを考え直すのではなくて、全く新しい視点に立って、新たに老人(高齢者)介護の方法を考え直すべきである。